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需要低迷に吹き込む新しい風。伝統技術を活かす新たなPR。
鍛冶を通じて繋げ、拡げたい。現代版野鍛冶の精神。

会社概要

(株)近藤製作所

金属製品製造業https://kuwakaji.com

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導入時期
2013年~
受け入れ実績
約20回、約500名(累計)

事業内容

鍬・園芸用品の製造・修理・販売
オリジナル製品の開発・製造・販売

創業150年、伝統ある鍛造の鍬、園芸用品等を製作する鍛冶屋です。刃物の産地、三条で育んだ伝統の鍛冶の技を全国でご愛用いただいています。

                       

近藤 孝彦 さん

オープンファクトリー担当 代表取締役社長

きっかけ

需要低迷に感じた危機感、少しでも鍛冶を知ってもらいたい。

現在6代目ですが、以前から時代の変化につれ鍬の需要が減っているのを感じていました。
先代も危機感があり工場見学など試みていましたが、当時は現場を見せるだけでした。
代が変わり新しい製品が生まれ、新たにPRを始めようとした時に、具体的に何をするかはっきりしていなかったところで、「鍛冶のことを少しでも知ってもらえれば」という気持ちから新しい“オープンファクトリー”への取り組みを始めました。

実施内容

工夫を凝らした現場見学と貴重な鍛造の体験。

主に、製品ができるまでの作業工程の見学と鍛造の体験をしてもらっています。
作業場の壁一面に製品をぶら下げるディスプレイをしたり、実際に近くで見て触れてもらったり、説明時に話を理解しやすいよう加工前の製品や素材を用意したり工夫しています。
昔から続く鍛冶現場の雰囲気を味わっていただき、実際の鍛造体験を挟みつつ、積極的にお客様へ声を掛けながら鍛冶の仕事に触れていただいています。

お客様の反応

触れてみるだけではない、本格的な鍛造体験に拍手と歓声。

「来て良かった」「面白かった」とお客様から言ってもらえると嬉しいです。作業や機械を間近で見るのはもちろんですが、土間の穴に入って職人がやっている鍛造作業を実際に体験してもらうこともあります。実際に叩いてみると、見ているだけでは味わえない緊張と感動があるんですよ。
力加減も手のブレも想像以上ですから、作業の難しさや大変さが伝わりますし、周りで見ているお客様にも激しい振動と火の熱気が伝わって、拍手や歓声が上がります。

工場内の見せ方や進め方は自分達で試行錯誤したオリジナルです。
お客様の反応を見ながら進行するので、ノリが良いお客様にはさらにエピソードを加えて話したり、その場でアドリブを利かせています。

社内の変化

見られることでやる気がアップ。社長も社員も共に勉強。

一番は社員のモチベーションが上がったこと。
早めに出社したり、色々な意見や案を出してくれたりすることも。
お子さんが見に来たことで、仕事への取り組み方が見違えるように変わった社員もいました。最近は一緒に他の工場へ見学に行って話し合うこともありますし、共に勉強しているような感覚です。

できることとできていなかったことが分かり、成長のきっかけに。

オープンファクトリーを始めたことで、社員がお客様に対し自分の仕事について熱意ある説明ができることが新たに分かったり、その反面、挨拶が意外とできていないと分かって改善したり、それぞれが浮き彫りになったのは、どちらも会社としてプラスになったし、向上に繋がったと感じています。

これから

夢は困り事を解決する鍛冶屋。これまでと今の融合を。

先代までは名刺に専門と書くほど農具がメインでしたが、需要低迷に対応するにはどうしたらいいか、今まで培った技術と今ある機械で他社と差別化できるものを模索した結果、専門という言葉を外してフライパンという新しい分野に挑戦し始めています。
同時に、必要とされる農具を作り続けることも変わらず続けたい。臨機応変な対応や困っている人を助けたいというのが、自分が目指す「野鍛冶」の精神なんです。
その実現のため、WEBサイトやネット通販を見直している最中です。

ふるさと納税や業種コラボも。モノだけでなく、体験も売りたい。

オープンファクトリーの取り組みは考えてみれば色んな数字に繋がる可能性がありますよね。
オープンファクトリーで作ったフライパンを売ったらどうだろうとか、ふるさと納税と組み合わせたらどうだろうとか、アウトドアイベントとコラボレーションしたらどうだろうとか、モノだけでなく体験を売ることなど色んなアイデアがたくさん浮かんでいます。
燕三条は何でもできる場所。これから様々な業種の人たちと繋がって、輪を拡げていけたらといいなと考えています。

※掲載内容は2023年12月取材時現在のものです

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